2022年に大阪市立デザイン教育研究所を卒業し、現在はブランディングデザインの分野で活躍する川端建希さんにインタビューを行いました。
デ研在学中には、映像制作をはじめとするさまざまなプロジェクトに積極的に参加していました。「いろいろな経験が、今の仕事につながっている」と語る川端さんに、現在の仕事やデ研での学び、そして高校生・在校生へのメッセージを伺いました。
――――現在のお仕事について教えてください。
企業ブランディングを担当しています。
具体的には、「その会社がどんなイメージを伝えたいのか」「どんな会社にしていきたいのか」といった企画段階から関わり、戦略立案からデザイン制作まで幅広く担当しています。その中でも、私が主に担当しているのはビジュアルデザインの領域です。ロゴデザインやWebサイト、動画、クリエイティブガイドラインの制作をはじめ、企業ブランディングに関わるさまざまなデザインを手がけています。
――――高校やデ研で力を入れていたことはありますか?
高校時代は、大阪府立登美丘高等学校ダンス部の動画撮影など、人と関われそうなことには積極的に取り組んでいました。デ研でも、有志のプロジェクトには積極的に参加していました。先生方から誘っていただいたものは、「一応、全部やろうかな」と思って参加していました(笑)。単純に面白かったというのもありますね。
特に印象に残っているのは、大阪大学を中心としたコミュニティ型複合施設「グローバルビレッジ」のプロモーション動画制作です。フリーランスで活動されているコピーライターの方もプロジェクトに参加されていて、ストーリー案や香盤表(撮影の進行スケジュール表)の作成など、プロの仕事の進め方を間近で学ぶことができました。
デ研ならではの、大学ではなかなか経験できないような多様な経験や、そこで得た知識は、現在の仕事にも活かされていると思います。
――――デ研に進学を決めた理由は?
もともと工芸高校では、映像をずっとやろうと思っていました。映像デザイン科を卒業して、そのまま映像編集やプロダクション関係の仕事に就職することを考えていたのですが、高卒ではなかなか希望する就職先が見つからなくて。
「自分が思っているところに就職できないかもしれない」と思っていた時に、映像デザイン科の先輩がデ研の説明に来てくれたんです。
その時、学費を抑えながら、いろいろな分野を学べることに魅力を感じました。
「ここで学んだことは、社会に出てからもきっと活かせるんじゃないか」と思ったことが、デ研への進学につながりました。
――――株式会社TCD(※1)のことを知ったのはいつですか?
きっかけは、山崎さん(※2)のデ研での授業です。
授業の中でTCDについて説明されていて、企業ブランディングという仕事が、実は幅広い分野を横断していることを知りました。映像も作るし、写真のディレクションもする。
「これなら自分がこれまでやってきたことや、自分の能力も活かせる」と思ったんです。
そこから、企業ブランディングという仕事に興味を持つようになりました。
※1株式会社TCDは、企業のブランドづくりを支援するブランディングデザイン会社です。企業の理念や魅力を整理し、ロゴや広告、Webサイトなどのデザインを通して、企業の価値を分かりやすく伝える仕事を行っています。
※2 山崎晴司氏は、株式会社TCD 代表取締役社長。本研究所卒業生であり、現在は特別講師として授業を担当しています。
――――今の仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
お客様から直接反応をいただき、自身の提案に共感していただけた時に大きなやりがいを感じます。
普段は先輩と同行訪問することが多いのですが、以前お客様を一人で訪問した際、その企業の未来を見据えた企画を提案したところ、その場で「ぜひ進めよう」とご納得いただくことができました。相手を想う気持ちが届いた経験は、今も大きな糧となっています。また、企業の社長をはじめとする決裁権を持つ方々と直接対話ができる点も、この仕事ならではの面白さです。一社一社と本気で向き合う貴重な経験を通して、自身の成長につなげています。
――――高校生や在校生へのメッセージをお願いします。
積極性は持った方がいいと思います。デ研は忙しいですし、僕も逃げられるところは逃げていました(笑)。でも、どんなことが経験やチャンスになるかは分からないじゃないですか。
僕の場合、山崎さんがデ研に来られた時に、急に部屋を訪ねて「今年は新卒の募集はありますか?」と聞いたことがありました。その時に積極的と思ってもらえて、それを覚えてくださっていたらしいんです。
何がチャンスになるかは分かりません。だからこそ、チャレンジする姿勢は大事だと思います。
※本記事は、株式会社TCDと大阪市立デザイン教育研究所との産学連携協定の一環として制作しています。
**EUREKA(エウレカ)**は、大阪市立デザイン教育研究所の卒業生が、現在どのようにデザインと関わりながら活躍しているのかを紹介するインタビューシリーズです。先輩たちのキャリアや仕事への向き合い方を知ることで、在校生はもちろん、デ研への進学を考えている高校生の皆さんにとって、自分の将来や進路を考えるきっかけになればと願っています。そんな意味を込めて、ギリシャ語に由来する「見つけた!」という感嘆詞をタイトルとしました。卒業生一人ひとりが見つけた「自分らしいデザインとの向き合い方」を、これからもお届けしていきます。